最近、民事信託契約って何のですか?というご質問を良く受けます。家族信託という言葉もありますが、民事信託と同じ意味で使われています。
日本弁護士連合会でも「民事信託を活用した人生設計」というパンフレットを用意し、民事信託を紹介しております。
民事信託は、資産の所有者から資産を託される人に資産の所有権を譲渡し、これを託された人が利益を受ける人のために資産を管理承継する仕組みです。
人生100年時代の老後の備えについては、これまで、財産管理契約、見守り契約、任意後見契約、死後事務委任契約、遺言を組み合わせ活用する提案をすることが多かったと思います。たとえば、今は元気で問題ないが専門家に任せて財産を管理したいという場合には「財産管理契約」、不安なので定期的に訪問してもらい医療や介護などの事務を任せたいという場合には「見守り契約」、判断能力が低下してきた時に備えて元気なうちに自分の財産の管理と身上保護をしてくれる人を予め決めておきたいという場合には「任意後見契約」、亡くなったあとの財産をどうするのかについて決めておきたいという場合には「遺言」が有用ですが、これを組み合わせることにより、老後に備え専門家に対応してもらうことが可能になります。
同じく老後に備えた仕組みとして注目されているのが先ほど出てきた民事信託(家族信託)になります。
先ほどご説明した民事信託の仕組みを活用することにより、将来的に判断能力がなくなることに備えて、予め財産の管理を任せることができたり、自分が亡くなった後に残された家族のために自分の意思どおりに使うことができたりするのです。
民事信託(家族信託)のメリットとしては、財産を守るだけではなく本人や家族のために財産を活用できること、家庭裁判所などの監督がないので財産の利用の自由度が高いという点が挙げられています。もっともあくまで財産管理についての契約ですので、身上保護を必要とする場合には、見守り契約や後見も併せて利用する必要があります。
老後の備えについては、家族構成、財産状況、事業内容などにより人それぞれだと思います。私たち弁護士であれば、皆様のニーズにあった仕組みを提案することが可能です。興味がありましたら、是非お問い合わせください。